毎月、給与の明細が届くとまず何を確認しますか? 大多数の人は、手取金額だけを確認している事でしょう。しかし、給与の中身をよく把握していないと、明細書が手元に届いた時に、急に焦る事にもなり兼ねないのです。
特に給与の控除額は、手取り額に大きく反映されるので、要チェックポイントです。社会保険料や税金は、どのように決定しどのように金額改訂されるかを知ることが、焦らないポイントとなります。
そうならない為にも、給与の明細書の控除額はどの様に決められていると言うのでしょうか?
目次
控除額がポイント!給与の明細書6つのチェック項目
給与の明細書を見て、先月より手取額が減ってる!と焦った事は、誰しも1度はある事でしょう。給与の手取り額と言うのは、支給額にもよって変わりますが、控除額の変動が大きく左右するのです。
それを避けるためにも、今回は給与明細書の控除額でチェックすべき項目を6つご紹介いたします。
1.健康保険料は1年毎に
給与の明細書に記載されている健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料の4項目を総称して社会保険料と呼んでいます。
健康保険料は1年に1度、4,5,6月の給与支給額より平均支給額を算出し、その金額によって9月からの保険料が決定されます。(算定基礎という)
残業によって4、5、6月の支給額が著しく高かった場合、9月の健康保険料が高額に設定される場合があるので、4、5、6月の給与が多かった!と喜んでいると、時間が経ってから給与明細書の控除額に驚く金額が記載されてくるので、残業代が多くなってしまった場合は、忘れずに注意しましょう。
2.介護保険料は忘れた頃に
介護保険料とは、近年義務化された社会保険料です。40歳になったと同時に控除対象者となるため、急に給与明細書に姿を現す項目です。
この保険料も健康保険料と同じく、年に1度4,5,6月の給与支給額で、9月からの保険料が確定します。
3.厚生年金保険は毎年上がる
給与明細書の社会保険料欄で、控除額が一番高額なのが厚生年金保険料です。厚生年金保険料は、健康保険料同様算定基礎によって9月からの保険料が決定します。
尚、厚生年金保険料は平成29年9月まで段階的に一定額上がる事が国の方針で決定しています。算定基礎で給与支給額に変動なくても、9月には必ず保険料が上がるので、その点も給与の明細書で確認するようにしましょう。
4.雇用保険料は毎月変わる
給与明細書に記載されている雇用保険料は、毎月給与支給額によって変わる社会保険料です。総支給額に対して国で定められた利率を掛けて算出します。なお、その利率は会社の業種によって異なります。
5.源泉所得税は多めに徴収
給与明細書の控除額欄にある源泉所得税と言うのは、総支給額から通勤手当と社会保険料を控除した金額から算出されます。毎月時間外手当等変動給が多い人は、源泉所得税も大きく変わるので注意が必要です。
尚、毎月微々たる金額ですが多めに徴収し、12月に年末調整を行い精算する形がとられています。
6.住民税が一番の落とし穴
給与の明細書で、一番確認しておくべき項目は、この住民税と言えるでしょう。住民税は、前年の年末調整をした情報を各市町村へ送り、翌6月から徴収が開始されるシステムとなっています。
なので、6月時点で働いていなくても、前年の12月まで働いていれば、住民税は発生する事となります。
その点から、新入社員の人が陥りやすいのが、働き出した時は住民税が掛かっていなくても、翌年6月に急に高額な税金の額が給与明細書の控除額欄に記載され、手取り額が大幅に減ってしまうパターンなのです。
また転職した人も、前会社で住民税を精算することが多く、新たに就職した先では、最初は住民税がないのに、6月になって急に給与明細書に記載されるため、この手取りのギャップに焦ってしまう人が多いのです。
住民税のシステムを理解することが、とても重要ポイントです。
いかがでしょうか?
給与明細書に記載されている項目は、なんとなく理解はできてても、それがどう控除額が決定され、いつから変わるのか等を知っている人は、かなり限られた人なのです。
給与明細書は手取額だけを見るのではなく、毎月必ず全体を見て、把握することが、焦らず損をしない事へ繋がるのです。
まとめ
控除額がポイント!給与の明細書6つのチェック項目
- 健康保険料は1年毎に
- 介護保険料は忘れた頃に
- 厚生年金保険は毎年上がる
- 雇用保険料は毎月変わる
- 源泉所得税は多めに徴収
- 住民税が一番の落とし穴