私達は日々様々なストレスにさらされています。職場環境を急に変えることができないように、ほとんどのストレスは無くすことはできません。このため、環境を変えることより、自分自身のストレス耐性を上げることのほうが重要になってきます。
しかし、ストレス耐性は、脳にある扁桃体の構造と関わっており、厳密には変わりません。生得的なストレス耐性を変えることが難しいからと言って諦めるのはまだ早いです。ストレッサーの捉え方を変えることによってストレス耐性を擬似的に上げることができます。
では、ストレッサーの捉え方を変え、ストレス耐性を上げるにはどういうステップを踏む必要があるでしょうか?
ストレッサーの捉え方を変えストレス耐性を上げる方法
ストレス耐性を上げるには、ストレッサーに対する捉え方を変えることが早道です。日常生活でのストレスは単一のもではなく、大小様々なものがあり、ちゃんと捉えられていないものも多いです。
まずはストレスの種類と度合いを捉えることが大切になってきます。その上でどうストレス耐性を上げていくかをみていきます。
1.ストレッサーを知る
ストレス耐性を上げる際に、まず何がどの程度ストレスになっているか知る必要があります。日々の生活は、沢山のストレッサーに満ちています。ストレッサーは、大きく3つに分かれます。
1つ目は、人生の出来事です。人生の出来事とは、避けられないストレッサーで、配偶者の死や転職など、ストレスの度合いも様々です。ストレスの度合いが高いほど、健康にも影響を与えやすく、これに対処するためにもストレス耐性をつけておく必要があります。
2.日常の苛立ちごとを知る
日常の苛立ちごとは、日常生活に突発的に起こる、満員電車でのストレスや上司に嫌味を言われたストレスなどです。ストレスとしてはわかりやすく、ストレス耐性を考える時、おそらく日常生活の苛立ちごとについて考えがちではないでしょうか?
日常の苛立ちごとは小さなことから大きなことまで頻繁に起こり、蓄積していくと、精神的にもダメージをきたします。このため、ストレス耐性を上げることは精神的なダメージを最小限にとどめるためにも必要になってきます。
3.慢性ストレッサーを知る
慢性ストレッサーは、日々の過酷な労働などで、慢性化しているからこそ麻痺してしまって気づきにくいストレッサーです。長くストレス状態が続くと、じわじわと体や心の健康に影響を与え、気づくと重症化していたということがあります。ガンや心臓疾患の原因にもなっており、重く受け止める必要があります。
ストレス耐性が高いというと、ガマン強いイメージがありますが、我慢していることで、体や心には負担がかかってくるため、ただ我慢強いだけではストレス耐性が高いとはいえません。
4.ストレス度合いを知る
ストレッサーをさらに詳細に分け、様々なストレッサーから受けているストレス度合いをチェックしてみてください。
特に慢性ストレッサーに関して、把握していないかたも多いため、分析してストレス度合いを自覚することが大切です。
分類軸としては、家庭や肉親のことなのか職場なのか個人的なことなのか、人間関係なのか物理環境なのか身体的なものなのか経済的なものなのかと、できればさらに細かく分類してみてください。
その中でもストレッサーとして、今の自分に大きな影響を与えているものについて、ストレス度合いを分析してみてください。分析軸としては、期間、精神的症状、身体的症状、ストレス度合いに点数をつけてみるなど、ストレス度合いの見える化を行い自覚して下さい。これらについては、ストレスチェックテストなどで容易に把握することができます。
ストレス度合いを知ることで、ストレッサーが対処しやすい対象になり、ストレス耐性を上げるのに役立ちます。
5.コーピングの活用
慢性的ストレスに対処する有効な手段として、情動焦点型コーピングがあります。情動焦点型コーピングとは、変えることの難しい環境ではなく、環境から起こる自身の情動を修正して対処するものです。同じ出来事からでも人によって受けるストレス度合いが違います。ある人はその出来事をポジティブに捉え、ある人はネガティブに捉えます。ネガティブに捉えている自分に気づいたら情動を修正してみてください。例えば仕事でミスをしたときに「経験を積んだ」と捉えることです。
考え方を変えることにより、状況は変わらなくても感じるストレスが変わり、ストレス耐性が上がるでしょう。
いかがでしたか? ストレス耐性を上げるのはただ我慢強くなることではなく、ストレッサーに対する捉え方を変えることで、今までダメージを受けていたものをいかに受け流せるかということです。今一度、日常生活のストレスを分析してみて、コーピングの技法を取り入れることで、ストレス耐性を上げてみてください。
まとめ
ストレッサーの捉え方を変えストレス耐性を上げる方法
- ストレッサーを知る
- 日常の苛立ちごとを知る
- 慢性ストレッサーを知る
- ストレス度合いを知る
- コーピングの活用