効果的に相手を援助することを目的としたカウンセリングでは、相手の話を聴くためのマインドが必要になってきます。
心理療法士など心の問題を解決するという一般的なカウンセリング以外にも、職業カウンセリングや結婚カウンセリングなどのカウンセリングなど、カウンセリングと名の付くものはどれも共通して相手の話を聴くためのマインドがあります。
ではカウンセリングを行う際に必要になってくるマインドとはどのようなものでしょう?
カウンセリングの際に持っておくべきマインド
カウンセリングではいかに相手の話を聴けるかが大事になってきます。そのためにカウンセラー側には専門知識や論理的な解決策よりも相手の話を聴き、受け入れるマインドが必要になります。カウンセリングの際に持っておくべきマインド5つのポイントをご紹介します。
1.カウンセリングの基本は傾聴
カウンセリングに関心のあるかたならよく目にする「傾聴」という言葉。カウンセリングが効果的なものになるかどうかは、傾聴がうまくできるかどうかにかかってくると言っても過言ではないでしょう。
傾聴とは相手に注意を傾けて聴く態度で、適切な相槌や表情、動作などの反応がとても重要です。そうかといって全身全霊で凝視しながら話を聴くのではかえって話しづらい状態になります。注意を傾けていることはひしひしと感じるがリラックスしているという絶妙な状態が傾聴です。
傾聴の姿勢はカウンセリングを行う側のマインドとして第一に持つべきものでしょう。
2.結論や解決策は不要
カウンセリングを行う上でもう一つ大切なマインドは、相手に完全に話の主導権を受け渡すことです。つい「こうしたらよい」とアドバイスをしたくなるかもしれませんが、それは必要ありません。
答えはあくまで相手が話す中で自分自身で導くもので、カウンセラーは話を聴き、クライアント自身が答えを出す補助をする役割です。相手から求められれば選択肢や情報を提示することはありますが、それ以外では粘り強くクライアントの口から気づきが出てくるのを促すマインドを持ってください。
3.相手を完全に肯定するマインド
カウンセリングでは相手を完全に肯定するマインドが大切です。
例え反社会的な性格を持ったクライアントが対象でもカウンセリングの場においては完全に肯定します。これは相手の行為を認めるというということではなく、人間性そのものを肯定するマインドを持つことです。
私達はつい目の前の人の価値を言動や職業、見た目や性格で判断してしまいがちですが、カウンセリングの場においては目の前の相手は成長の能力を備えた一人の完全な人間です。頭や感情で判断を下すのではなく成長の能力に目を向け補助していくというマインドを持つべきです。
4.相手に対してオープンマインド
カウンセリングで相手が安心して話ができる環境を作ることが必要です。カウンセリングでは「ラポールを築く」という呼び方をしますが、どれだけ深い信頼関係を築けるかが効果的なカウンセリングを行えるかの分かれ目です。
そのためにはまず自分自身が相手に対してオープンマインドであることが重要になります。ここで言うオープンマインドとは自分のことをべらべら話したり感情を表すことではなく、相手の言葉に対して自然に反応することになります。これは共感的理解のマインドに他なりません。相手の話す内容に「そうですね。」などの肯定的な相槌を打つことや、語尾を繰り返すことで相手との一体化を図り相手が安心して話せる環境を作りましょう。
5.自分自身を受容するマインド
カウンセリングを行なっていく上で、相手の受容やプライバシーの保護を意識していると、カウンセラー自身の意見や感情が抑圧されがちになります。これではカウンセリングが長く続きません。
完璧である必要はなく、心の中でクライアントを否定してしまった瞬間が出てきてもそれを受け入れましょう。もちろんそれが態度に出ないようにすることは言うまでもありませんが、クライアントのどこに否定的な感情を感じたかを分析し、それを禁止しないことで冷静な自分を保てます。
まとめ
いががでしたか?
カウンセリングに必要なマインドを身につけるには、実は言葉で説明するほど簡単ではなく訓練と経験を通して身につくものです。上記の内容を意識して忍耐強くカウンセリングの回数を重ね、カウンセリング・マインドを身につけていってください。
カウンセリングの際に持っておくべきマインド
- カウンセリングの基本は傾聴
- 結論や解決策は不要
- 相手を完全に肯定するマインド
- 相手に対してオープンマインド
- 自分自身を受容するマインド