あなたは仕事において、外部の団体や企業と取引を行ったり、仕事を任せたりしたことは有りませんか?
本来自社が行うべきことを他社や外部に依頼することを「業務委託」と呼びます。業務委託をするものには様々なケースが想定されますが、その様々なケースや条件を明確にするために取り交わすものが、「業務委託契約書」になります。
業務委託契約書を取り交わす際には、仕事を完結させることを求めるのは通常です。そのため、業務委託契約書を締結する前に重要な点を押さえておくことが重要になります。
業務委託契約書を締結する際に、どのような点を確認すべきかおさらいしてみませんか?
目次
業務委託契約書締結で確認すべき5つのポイント
業務委託契約書の作成は厄介なものですが、仕事を進める上でとても有益なものです。内容によっては自分で対応せず、専門家に任せた方がよい場合や、業務委託をすることによって自分が別の仕事をすることができるなどということもあります。業務委託書を締結する時の確認すべき5つのポイントをご紹介します。
1.業務委託をする必要があるのか考える
業務委託契約書を締結する前に、一番良くチェックすべきポイントは、本当に必要な業務委託契約書なのか?ということです。当然ですが、業務委託契約書を草稿する際に、業務委託する内容を良く吟味することが必要なのは言うまでもありません。
この業務委託契約書に記載すべき事項が漠然としているでは、本当に業務委託が必要なのか、再確認が必要です。あえて目的が明確でない業務委託契約書を締結することが往々に見られます。契約当初想定していないことも対応することができるような内容のものです。その場合、発注側と請負側の思惑にズレが生じることが多く、後から揉めることが想定されます。
業務委託契約書を締結することは、成果物に対して対価が発生することであるため、業務委託をする必要がある事項に限って行うべきです。そのため、今一度良く業務委託をする必要があるのか確認しましょう。
2.業務委託契約書の終了について盛り込む
業務委託契約書には請負契約と委任契約の二つが有るものですが、どちらの場合においても継続性のあるものか単発のものか、二つのケースが想定されます。
単発の業務委託契約書であれば、その期間や期限などが明記されます。しかし継続性のある業務委託契約書の場合、一年間を期間とし、その後自動延長になるケースが多くみられます。
ここで大切なのは、業務委託契約書に継続性がある場合、一定の期間後自動延長であれば、解約の条件を盛り込んでおくことが必要です。往々にして業務委託契約書を締結する時には、締結することに集中してしまい、いざ解約するとなる時のことを見落としてしまいます。
単発の業務委託契約書の場合、仕事の完了など明確な満了時期が有ります。しかし継続性のある業務委託契約書の場合、解約条件を明確にしておかなければ、将来的に争うことになりかねません。解約の申し入れについて相互に了解をした条件を盛り込んで業務委託契約書を作成することが大切です。
3.契約金額が記載されているか?
業務委託契約書に仕事の内容は記載されているのは当然ですが、その業務委託契約に対する契約金額が記載されているか否か確認が必要です。金額は後から決めるということも可能ではありますが、業務委託契約書を締結する際に明記されている方が、後々トラブルも少なくなります。
単発のものであれば、委託された業務の完了時に報酬の支払いなどと明確にしやすいですが、継続性のあるものであれば、月額金額を明記し、支払い時期を示されていることが、後々のトラブルを防ぐことに繋がります。可能な限り、金額とその支払い時期を盛り込んだ業務委託契約書であるように心がけましょう。
4.業務委託契約先を正確に掴む
業務委託契約書を締結するにあたり、その相手先が一体どのような相手、企業や団体であるのか確認しましょう。業務委託契約書に至るまでに、商談を行っているはずですが、それまでに相手先の所在地や業務委託を行う場所を正確に確認できていない場合、業務委託契約書に記載されている所在地や、その業務の行われる場所などを再確認しましょう。
グローバル化が進んでいる昨今では、業務委託契約書締結先が日本以外に存在する企業や団体であることも増えました。IT技術の発展もそれを増長させており、自分は日本の企業と契約を結んだり委託をしていると思っていても、実は相手は外国の企業であったり、業務委託内容は外国で行われていたりということが往々にして発生しています。
相手をよく確かめることは、言うまでもありませんが、相手の所在地や業務地が何処であるのか、再確認が必要です。
5.収入印紙は必要か確認する
日本には印紙法という法律が存在し、業務委託契約書の多くは収入印紙の対象となります。
単発の業務委託契約書の請負金額が100万円以下のもので200円の印紙が必要となり、継続性のある業務委託契約書の場合は4000円となります。契約金額の記載のない業務委託契約書であっても、200円の印紙が必要となります。
このように、業務委託契約書の内容により、印紙の金額も変わってくることを確認しましょう。正しい金額の印紙をはることが重要です。また、業務委託契約書を甲乙と2通作成した場合には、2通共に印紙が必要になります。3通作成された場合は同様に全てに必要になります。
ただし、相手が外国企業や団体の場合は、収入印紙は不要になります。これは日本の法律であるため、外国企業や団体には適応されてないからです。また、貼付された印紙には必ず消印をすることを忘れてはなりません。合わせて確認しましょう。
まとめ
業務委託契約書は締結することで仕事が円滑に進むため、効果的に使うべきですが、その業務委託契約書を適切に結んでいないと後でトラブルに繋がります。基本的は事項をしっかり確認して業務委託契約書を締結し、日常業務の効率化を図ることで、仕事における大きな成果に結びつけるよう活用しましょう。
業務委託契約書締結で確認すべき5つのポイント
- 業務委託をする必要があるのか考える
- 業務委託契約書の終了について盛り込む
- 契約金額が記載されているか?
- 業務委託契約先を正確に掴む
- 収入印紙は必要か確認する