店舗を運営している方や複数のサービスを提供している方は、主力商品・サービスメニューの決定をどうやって行っているでしょうか?
売り上げを伸ばし利益を上げるには商品・サービスメニューの入れ替えや、どこに力を入れるかなどの商品・サービスメニューの管理が重要になります。
これらを直観的に行っている方もいるかもしれませんが、商品・サービスメニューの数が増えるほど判断が難しくなり、みすみす利益を逃すことにもなりかねません。
商品・サービスメニューの管理に役立つのがABC分析です。
ABC分析を活用する際のポイントとはどのようなものでしょうか?
ABC分析を活用する際のポイント
商品・サービスメニューの管理に役立てたいのがABC分析です。
「ABC分析」というと難しく聞こえるかもしれませんが、すごくシンプルで有用です。
そのため様々な業種でABC分析を活用したマーケティングが行われています。
ABC分析を活用する際のポイントをお伝えします。
1.ABC分析とは
ABC分析は売り上げ高や利益の割合を分析して、主力商品や入れ替え対象の商品を決定するものです。
分析と言ってもとてもシンプルで、売り上げ高や利益の割合でABCの3ランクにわけて分析するだけです。
Aランクの商品が主力商品として有力になります。
直観や個人的な思い入れで主力商品を決定している方もいますが、効率が悪く決定ミスによって利益を逃しかねないです。
ABC分析では、あくまで客観的に売り上げを分析することで利益を拡大します。
具体的なABC分析の活用法をご紹介していきます。
2.ABC分析の準備
ABC分析には売り上げデータExcelがあれば簡単にできます。
まずは売り上げデータを降順でソートをかけましょう。
売り上げ高の総額を求めておいてください。
次に売り上げ構成を求めます。
売り上げ構成とは、その商品の売り上げが全体の何%にあたるかです。
これは、「商品の売り上げ高÷売り上げ高の総額」で求められますので、各商品の売り上げ高の右のセルに計算式を入れて求めておきましょう。
これだけでも、なんとなくどの商品が利益を上げるのに貢献しているかがつかめるのではないでしょうか。
ABC分析では、さらにこれらをランク付けしていきます。
3.累積構成比でABC分析
売り上げ構成が求められたら、次はこれをつかって累積構成比を求めていきます。
累積構成比を求めることで各商品の売り上げが、累積売り上げのどの位置にあるかを知ることができます。
ABC分析では、この累積構成比に対してランク付けをします。
累積構成比は、降順に並べた商品の売り上げ構成を、上から合計していったものです。
商品2の累計構成比は、「商品1の売り上げ構成+商品2の売り上げ構成」になります。
同じ要領で、商品1、商品2、商品3の売り上げ構成を足したものが商品3の累積構成比になります。
SUM関数を使って求めておきましょう。
(商品1の売り上げ構成の入力セルがD2の場合は、D3のセルに「=SUM($D$2:$D2)」と入力して商品の一番下まで連続コピー)
最後の商品の累積構成比が100%になればOKです。
累積構成比を使ってABC分析をします。
一般的には、累積構成比の70〜80%までをAランク、80〜90%までをBランク、90〜100%までをCランクとして重点付けします。
Aランクを主力商品とし、Bランクを準主力商品、Cランクを非主力商品とします。
4.利益からのABC分析
売り上げ高の高いものが必ずしも利益を上げているとは限りません。
売り上げ高からのABC分析だけでは正確な主力商品の検討が行えないことがあるため、利益からのABC分析を行います。
総利益と各商品の利益構成を求め、そこから利益の累積構成比を求めましょう。
売り上げ高でからのABC分析と同じように累積構成比をランク付けします。
結果が売り上げ高でからのABC分析と同じになる場合もありますが、多くの場合細部の入れ替わりがあるでしょう。
5.主力商品の検討
売り上げ高からのABC分析と利益からのABC分析が完了したら、再度主力商品、準主力商品、非主力商品を検討してみましょう。
主力商品は力を入れるべき商品で、準主力商品は主力商品になり得る商品です。
非主力商品は場合によっては商品入れ替えの候補となります。
売り上げ高からのABC分析に利益からのABC分析を加味して検討することがポイントとなります。
ランクをまたいだ各分析結果の相違があれば、累積構成比の隣接商品との差や、商品の扱いやすさなどから、どちらの区分を採用するかを決定します。
また、上記では主力商品を累計構成比70〜80%としていますが、業種によっては売り上げ高に大きな差がないことがあります。
こういった場合は、力を入れるべき商品や入れ替え候補の商品を見誤らないために、主力商品の区分を拡大して60%くらいまでにするなどの調整が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ABC分析は簡単に行える割には意外なほど利益の拡大に直結する優れた分析ツールです。
判断の労力や時間をほとんどかけることなく、「どこに力を入れるべきか、どの商品を入れ替えるか」を決定できます。
ABC分析を取り入れて商品管理に活用しましょう。
ABC分析を活用する際のポイント
- ABC分析とは
- ABC分析の準備
- 累積構成比でABC分析
- 利益からのABC分析
- 主力商品の検討