仕事の経験を積むにつれて、部下に指導する必要が出くると思います。
できの悪い部下を持つと飲み込みが悪く、なかなか大変だと感じることもあるでしょう。
しかし、上司の指導の仕方によっては部下の成長度合いは大きく変わってきます。
少しでも早く戦力となる部下を育てたい忙しい現場ほど、指導の手が薄くなりがちで、なかなか部下が育たないというジレンマがあります。
ポイントを押さえた指導で部下の成長を確実なものにしたいところです。
では、部下を指導する際のポイントとはどのようなものでしょうか?
部下を指導する際のポイント
育てる上司によって、部下の成長具合はまったく変わってきます。
指導がうまい人と下手な人では指導方法にちょっとした差があり、指導のポイントを意識することがすごく大切になります。
部下を指導する際のポイントを5つご紹介します。
1.感情的にならない
仕事のできない部下、物覚えの悪い部下を見ていると指導する側は大変イライラします。
だからといって感情的に部下を叱り倒しても、指導の効果が上がるどころか部下からの信頼を失くす可能性が高いです。
部下を指導するのは子育てと同じです。
叱る時も褒める時も常に相手の成長にとって最良かを考えなければいけません。
叱ることはとても大切な指導のポイントですが、部下へのプレッシャーのひとつと考えて活用しましょう。
例えば、何度も同じ失敗をしている部下や、モチベーションを失っている部下に対して、厳しく檄を飛ばすことで、カンフル剤とすることは必要でしょう。
その場合にも、部下のどこに問題があったのかを筋道立てて説明し、改善のための手立て考えさせることと、改善できなかった時の具体的なペナルティを示すことをセットで叱りましょう。
2.指導内容は具体的に
「もっと努力しろ」だとか「必ずミスを減らせ」というような抽象的な指導の仕方では、部下はやり方がわからず、途方に暮れてしまうこともあるでしょう。
指導内容を具体的にすることはとても重要で、部下の成長効率を上げてくれます。
一方で、具体的な指導は上司がどれくらい業務について理解しているかも問われます。
もちろん部下自身の頭で考えて方法を見つけることも大事なので、何から何まで手順書を細かく用意するようなことではありません。
例えば、納期の守り方がわからない部下に、精神論ではなく具体的にどんな努力をするのが、問題解決の可能性があるか、その選択肢を指導するのです。
指導での5W1Hのような具体性は当然ですが、忘れがちなのは自分の経験に基づくノウハウをプロセスから指導することです。
自分が当たり前にできていることを指導する際に、ついつい抽象的な指導になってしまいがちなので、自分がどういうプロセスを経て、当たり前の作業を実現しているかを言語化することが大切です。
また、指導する上司にとっても、指導される部下にとっても時間は最も貴重なリソースです。
具体的にがんばる方向性を指導することで、飛躍的に成長速度が上がりますし、部下のモチベーションも上がるでしょう。
3.良いところを褒める
褒めて伸びるタイプの部下もいれば、叱って伸びるタイプの部下もいます。
しかしながら、基本的にどんな部下でも褒められれば嬉しいですしモチベーションが上がります。
叱ることと褒めることのどちらも活用して緩急つけることが大切です。
指導の際はついつい忘れがちになってしまうのが、良いところを見つけて”褒める”ことです。
意識して褒めるところを探し、「なかなかいいなあ」と感じたら思ったままに伝えましょう。
たとえ部下に「褒めて育てる」意図が見え見えだとしても、部下のモチベーションが否が応でも上がるのが褒めることの効果です。
叱る時はできるだけやらないほうがよい、人前でのやり取りも、褒めることに関してはどんどん行うのがよいです。
他のメンバーのいる前で褒めることが、部下のさらなる自信に繋がるでしょう。
4.部下の言葉で説明させる
指導において、部下の血肉となりやすい最適な方法は、部下自身の言葉に置き換えて説明してもらうことです。
理解が中途半端な段階から、部下の言葉で指導内容を説明させて内容の理解を定着させましょう。
わかっているつもりのことも、自分の言葉にするのは意外に難しかったりします。
指導した言葉をほぼそのまま使っている場合は、少し突っ込んだ質問をすると答えられないことも多いでしょう。
部下自身の身近な例に置き換えて考えてもらい、指導内容をかみくだいて説明することで定着が早まります。
機会があれば、指導内容をすぐに別のメンバーに対して伝えさせるのも良い方法です。
自分が指導する立場になると、「わからない」という言い訳は通用せずに、成長の効率が何倍も上がるでしょう。
5.背中を見せる
部下への指導は言葉だけで行うものではありません。
部下が学ぶ素材として最も参考にしているのは、上司の仕事のやり方です。
机の上の配置だとか、効率化の手順といったものだけでなく、仕事に対する態度であったり、信念も含まれます。
指導する立場の人が言ってることとやってることが違うのは論外として、指導内容をスマートにこなす上司を見て部下は、「自分もあんなふうになりたい」「やればできる」という目標を与えることができます。
言葉で指導する何倍も、仕事をする上司の姿から学ぶものは大きいので、見られていることを常に意識して、背中を見せられる上司になりましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
業務内容や部下の性質によって、指導方法自体は臨機応変に変える必要がありますが、上記のポイントを押さえた上で効率的な指導を心がけることが大切です。
自分の頭で考えて対処できる部下を少しでも早く育て、チームの戦力増強を計りましょう。
部下を指導する際のポイント
- 感情的にならない
- 指導内容は具体的に
- 良いところを褒める
- 部下の言葉で説明させる
- 背中を見せる