仕事をしている中で、やらなくてはならないと分かっていても、やる気が起こらなかったりすることはありませんか?その逆に、指示をされたわけでもないのに、自発的に率先して取り組んでいくこともあるでしょう。
この違いは、モチベーションに起因します。
このモチベーションをベースとしたモチベーション理論があり、組織などで人を活用することに応用されています。モチベーション理論を理解して、組織を活性化してみませんか?
モチベーション理論で組織を活性化する5つの例
組織を活性化し、各々のメンバーが活躍をするために、モチベーション理論を用いることで今まで達成することが難しかった目標や課題に取り組み、成果を上げることが期待できます。
モチベーション理論を用いて組織を動かすための5つの例をご紹介します。
1.何によって動機づけがされるのか
モチベーション理論を考える上で、大切なポイントであるのが、「人は何によって動機づけされるのか」ということです。
そこには、外発的動機づけと内発的動機づけの2種類があります。
外発的動機づけとは、給料や周囲からの評価など社会的報酬によってやる気をアップすると、モチベーション理論では定義づけされています。
その反対の内発的動機づけとは、自らの興味であったり、楽しみからやる気をアップするというものです。
モチベーション理論では、人は外発的動機づけでモチベーションを上げることは難しく、意に反して嫌悪感を抱くなど不満を募らせることにつながるため、できるだけ内面的動機づけへのシフトさせることを推奨しています。
モチベーション理論の実践として、内面的動機づけを行うには、指導者の精神的成熟が必要です。部下などにじっくりと丁寧にコミュニケーションを取っていく必要があるからです。
最終的には自分の居場所を見つけ、ここでがんばっていきたいという意識や誇りを育てることができるのがポイントです。
2.内面的動機づけだけでは不足
モチベーション理論でいう内面的動機づけだけで社員や部下のモチベーションを維持することは不可能といえます。人には必ず生理的欲求であったり安全の欲求があり、更には社会的欲求があります。これはモチベーション理論の中の一つであるマズローの欲求段階説で唱えられています。
つまり人は、成果を上げたり努力をしたことに対して賃金や雇用条件の改善やアップなどがみられなければ、内面的動機づけからのモチベーションは上がらなかったり、上がっても弱いものであるのです。
そして、モチベーション理論が指摘する大切なポイントは、バランスにあります。不満につながる要因である職場環境や、賃金、人間関係、不安定な雇用などは衛生要因とされ、この衛生要因が解決されるだけでは、モチベーションアップを維持するには不足です。
動機づけ要因とされる達成感や責任感、昇進や評価などが伴って初めてモチベーションを上げて維持できるのです。それが組織の活性化であり、好成績に繋がります。
3.成功の循環を利用する
モチベーション理論の一つに、成功の循環モデルがあります。これは関係、思考、行動、結果の4つの要素の各々の質が高まると、循環的に作用して成功につながるというものです。組織がうまく機能しているときは、関係の質が高まり、その影響から思考の質が高まることで、行動の質が高くなるため、結果の質も上がるという構図です。それが循環し続けるのです。
その循環を引き起こし継続するには、組織のメンバーである社員や部下が主体性をもって行動し、思考も主体的に行うということが求められます。そのためには、メンバーの各々がオープンに意見を交換したり情報の共有化をできるような、人的な関係の質が重要になってきます。
4.性善説と性悪説
人の本性と仕事に対する考え方の二つの対立的な理論として、X理論・Y理論というものがモチベーション理論にあります。これは人の生まれつきの性質は悪であるという性悪説のX理論と、人の本性は善であるという性善説のY理論の二つの側面から人のモチベーションを考えるものです。
人は本来ナマケモノであり、仕事に苦痛を感じ、強いられなければ働かないもので、責任を回避することを求めるという性悪説による管理監督する手法と、人は仕事に対して喜びを見出すことができ、自ら進んで困難な目標を立て達成することと、それに対する責任を追うという性善説による目標による管理手法があります。
これらを組み合わせて両面から、社員や部下のやる気をあげていくモチベーション理論です。自分の組織を適度な距離から管理する際に活用できる手法です。
5.欲求は段階的に上がっていく
モチベーション理論の一つとして、人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物であると仮定し、低次元の欲求が満たされれば、高次元の欲求が生じてくると考えるものがあります。マズローの欲求5段階説とも言われます。
生理的欲求が満たされれば、安全をもとめ、続いて組織などに所属したいという欲求が生じます。その後は自己の地位の向上や自尊心の満足を求め、最後が自己実現をすることを求めるというものです。
現代社会では、価値観の多様化が進み、仕事において自己実現を求めないことも見られます。そのため、このモチベーション理論のみに基づいて、社員や部下を指導したり管理をすることは、組織の活性化につながったとしても、効果が低かったり時間がかかることがありうるため、要注意です。
まとめ
いかがでしたか。
モチベーション理論には様々なものがあり、ご紹介したのはごく一部に過ぎません。自分自身や自分の組織、社員や部下に合わせて、いくつかのモチベーション理論を当てはめてみることで、組織の活性化をはかり業績アップにつなげましょう。
- 何によって動機づけがされるのか
- 内面的動機づけだけでは不足
- 成功の循環を利用する
- 性善説と性悪説
- 欲求は段階的に上がっていく