他人を説得するのはとても骨が折れることです。自分のやり方や信念を持っている人はとても多く、新しいものごとを受け入れるには相当な説得力を要します。よほど説得内容に自信がある場合でも相手によっては聞く耳を持ってくれないこともあるでしょう。
誰かに対してうまくいった説得技法が他の人にも通用するとは限りません。説得には相手に合わせたやりかたが効果的なのです。では、相手に合わせた説得技法とはどのようなものでしょうか?
タイプ別効果的な説得技法
完璧に効果が説明され尽くされた説得でも、まったく相手の心が動かないことはよくあります。説得されるツボは人によって千差万別で、説得内容を相手のタイプによって使い分ける必要があるのです。
今回はタイプ別効果的な説得技法をご紹介します。
1.頑固なタイプの説得技法
確固たる信念を持っていたり、考えや自分のやり方が凝り固まってしまっているようなタイプの説得に苦労したことがあるのではないでしょうか?でも実は頑固なタイプほど一度説得内容に信ぴょう性を感じれば、すんなりと説得できます。
頑固なタイプには、お互いの主張をぶつけるのではなくまずは相手の言い分をしっかりと聴きましょう。相手の信念に共感し、よいところをピックアップしてフィードバックしていきます。説得には相手との信頼関係をまず築きあげることがポイントです。そのうえで、できるだけ自然に相手の主張に自分の説得内容をすべりこませましょう。そうすることで、相手はまるで説得内容が最初から自分の信念であるかのように受け入れてくれます。
2.論理的なタイプの説得技法
説得しようとすると理路整然と反論してくる人もいます。彼らを説得するには説得内容にそれなりに筋が通っている必要があります。説得のための準備をしましょう。「〜だから〜だ」という説得内容の根拠を磐石なものにする必要があります。つまり論理的な相手が納得いくような根拠を示すのです。彼らが納得するには、事例や客観的事実を示す数字が必須になりますが、見方を変えれば論理的なタイプの人は理屈さえ合えば、理解し受け入れてくれるのです。
3.感覚的なタイプの説得技法
感覚でものごとを決めているタイプの人がいます。こういうタイプの人を説得するにはタイミングしかないように思えるほどです。
でも、彼らを説得することもけっして不可能ではありません。説得の基本は、相手の受け入れやすいチャンネルに合わせてメッセージを出すことです。具体的には彼らの興味がある分野の話をしてお互いに感情が高ぶったタイミングで説得に入ります。大事なのは感情レベルの高いままで説得することと、あまりくどくどと説明しないことです。説明が彼らの琴線に触れれば説得は高い確率でうまくいくでしょう。
4.目上の人の説得技法
上司などの目上の人を説得するには、よほどの信頼関係がない限り簡単なことではないでしょう。立場を乗り越えて説得するには説得力のある根拠を準備して挑むか、もしくは人の口を借りて説得するかになります。人の口を借りて説得するというのは、目上の人の尊敬する人などを利用して、目上の人に聞く態勢に入ってもらうことです。とはいっても尊敬する当人を連れてくる必要はなく、「〜が書いていましたが」というような間接的な説得を利用すると効果的です。同じ内容のことを話しても、目下と考えている人の言葉と尊敬する人の言葉では入り方が全く違います。
5.ネガティブな人の説得技法
何を言っても否定的な返答をする人がいます。内容どうこう以前に説得するにはまず聞く耳を持ってもらう必要があります。
まずは感情の共有体験をし、彼らの信頼を勝ち得るしか方法はありません。そうするうちに少しずつ心を開き、聞く耳を持ってくれます。そうこうしながら説得を小出しにしていけば一見否定的な反応が返ってくるように見えても、彼らの考えに少なからず影響を与えていることもあります。時間をかけて説得しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
5タイプの人に対する説得技法をご紹介してきましたが、実際は複数の特徴が混ざったタイプの人が多いです。説得技法を組み合わせて最も効果的なものを探ってみてください。受け入れやすい説得技法が見つかればどんなタイプの人も説得できるでしょう。
タイプ別効果的な説得技法
- 頑固なタイプの説得技法
- 論理的なタイプの説得技法
- 感覚的なタイプの説得技法
- 目上の人の説得技法
- ネガティブな人の説得技法