ビジネス活動を行っていれば、売上高も大切ですが、どれだけ利益高を上げることができるかが大切なのは周知の事実です。
売上を上げるためには、営業活動が必要であり、それに伴って発生する経費が販売管理費なのですが、この販売管理費は売上原価には含まれません。販売管理費に属する項目は各企業によって、妥当性をもって設定されます。
このような販売管理費の項目にはどのようなものがあり、それはどのような重要性を持っているのでしょうか?
販売管理費における5つの重要項目
営業活動を行って売上をあげても、最終的に赤字となってしまっては、せっかくの販売活動も台無しです。
利益を確保するためには、通常の商品やサービスの販売状況だけでなく、販売管理費の内容をよく精査することが必要です。
ビジネス活動における、販売管理費の5つの重要項目をご紹介します。
1.広告宣伝費の基準
広告宣伝をせずに商品やサービスを販売している企業やほとんどないといっても過言ではないでしょう。それほどに、現代の商業活動においては広告宣伝は重要な役割を担っています。それゆえ、販売管理費の一項目として経費参入が認められているのです。
しかし、広告宣伝の対象が広く一般であることが必要条件であり、不特定多数に対する販売活動が求められます。つまり、特定の対象がある広告宣伝の場合、これは交際費に参入しなくてはなりません。
広告宣伝費として計上したものの、それが認められず、交際費扱いとなると、広告宣伝費として計上した費用の50%のみが損金参入できないことになります。広告宣伝費に算入する場合、その性質をよく見極めることが必要です。
また、不特定多数に対して宣伝することが目的物であっても、一式20万円以上で1年以上使用する場合は、固定資産扱いになります。ホームページ作成などは、20万円以上の作成費で1年以上使用する有するものであれば、固定資産扱いになりますので、要注意です。
2.販売促進費の内容
販売における販売管理費の中には、販売促進費という項目があります。これは会計上は売り上げを奨励するための費用であり、販売手数料や販売奨励金などが含まれ、損金算入することができます。このような販売手数料や販売奨励金については、契約などでの算定基準を定めておくことが大切です。万が一その算定基準を超えた販売手数料や販売奨励金などが支払われていた場合、これは交際費と認定されてしまいますので要注意です。
また、販売奨励金を代理店などの得意先ではなく、得意先の従業員に支払ったり、優秀な販売実績を残した個人事業主を慰安旅行などに招待した費用なども、交際費になりますので、要注意です。
3.見本費の取扱
販売の活動を行うにあたり、商品の見本が必要とされるのは当然のことと理解できます。店舗に陳列する見本品などはその中に入ります。このような見本品にかかる販売管理費を見本費としたいところですが、見本品の取り扱いを決めるにあたり、金額基準があることを知っておきましょう。
見本品の単価は10万円未満のものであれば、少額扱いで損金算入することができます。しかし、見本品の単価が10万円以上の場合、見本品は展示品扱いとなり、固定資産として取り扱うことが必要になってきます。
4.荷造運賃費の範囲に注意
販売管理費もしくは一般管理費に組み入れられる、荷造運賃費というものがあります。商品などの出荷に伴い発生する荷造・梱包作業費・運送代を指します。これは商品の出荷時に発生した費用を扱い、商品の仕入等に伴って発生する運賃等は仕入高に含めることを忘れないようにしてください。
宅急便のコストなどを一括で処理をしていると、これらの区分が的確にできていないことになります。販売管理費に含めないコストも含んだ形で仕訳されていると、正しいコストが算出できないだけでなく、利益にも狂いが生じてしまいます。細かいようですが、要注意です。
5.人件費の取扱基準
どの企業においても、全て機械化されている状況にはならないものです。企業におけるビジネス活動には必ず人が介在します。その結果人件費が発生することになります。この人件費の仕訳の方法を明確にし理解することが必要になります。
例として、商品を生産している場合、それにかかる費用は原価となります。別の例として、広告代理店であれば、広告が商品であることから、広告を作成している場合の人件費は原価に組み入れます。つまり、メーカーなどでものを売っている人の人件費は販売管理費の中の一項目として取り扱われることが必要になります。
まとめ
いかがでしたか。
販売管理費に含まれるものについては、なんとなくわかっている気がしていたが、ポイントを理解していなかったため、効果的に活用できていなかった人もあることでしょう。
これを機会に販売管理費を効果的に使い、営業利益アップにつなげていきましょう。
- 広告宣伝費の基準
- 販売促進費の内容
- 見本費の取扱
- 荷造運賃費の範囲に注意
- 人件費の取扱基準