接待を行う場合、食事代や交通費、時には贈り物代やエンターテイメントの費用など、様々な費用が発生します。
このような費用は経理上、接待交際費と呼ばれます。
接待交際費は、企業の事業活動における費用と異なり、損金不算入となっています。
しかしながら、取引を円滑に進めるために必要な経費なので、きちんと要件さえ満たしていれば、接待交際費でも経費として認められる場合もあります。
どのような場合が接待交際費で損金算入できるのか、その範囲や要件を確認しませんか？
目次
接待交際費として処理する時の５つのポイント
接待交際費は全て損金不算入という先入観に捕らわれていますが、実際はその要件をしっかり理解することで、損金算入することができるものもあります。
接待交際費として処理する時の５つのポイントをご紹介します。
1．飲食代は一人当たり5000円以下か？
得意先への接待交際費で一番多いのは、接待飲食代です。この一部でも損金算入できれば企業の財務状況は大きく変わります。
損金算入できるということは、節税対策となるからです。
接待交際費ではなく、損金算入させるためには、かかった総額を参加した人数で割った金額が5000円以下であることが重要です。
また処理をするために必要な書類を用意することが必要です。
飲食等のあった年月日、参加した得意先、仕入先、その事業に関連のある人の氏名、参加した人数、飲食店名、住所が分かる”領収書”が必要です。必ず、レシートなどの証憑類に参加人数や参加者氏名を自分で記入しましょう。
2．事業に必要であったことが分かるか？
いくら飲食代の一部が損金算入できるようになったと言っても、無条件ではありません。
事業遂行のために必要であったか否かが重要になってきます。
打ち合わせや会議の目的や議題なども必要になってきます。
そのような情報が提供できない場合には、接待交際費として処理をすることをおすすめします。
後日、税務調査や会計監査において指摘を受けた時に、説明することができないようでは問題になります。
個人的な飲食代を一緒にして処理することが無いようにすることが大切です。
3．贈り物代や交遊代は接待交際費
得意先にお歳暮やお中元を送ることもビジネスの慣習としてあります。
これらの費用は確実に接待交際費として処理することが必要です。
商品券を贈る場合には、不課税取引であるため、経理上の処理において注意をすることが必要です。
お客様との接待ゴルフや旅行など交遊代は確実に接待交際費に含まれます。
取引先に不幸があり、香典を用意することが有りますが、これも不課税取引になりますが、接待交際費に含まれます。
このように、例え物品を購入しても用途によって接待交際費として処理をすることが必要になってきます。
4．接待時の交通費処理は注意
ゴルフも含め、接待を行う際に、タクシー送迎を行うこともあります。
この場合、領収書を入手すれば交通費として処理することも可能に考えられますが、この場合は接待交際費として処理することが必要になります。
接待ゴルフの往復交通費も接待交際費になってきます。
接待交際費として取り扱う基準は、「その目的が何であるか？」という点になります。
タクシーの領収書などは処理ミスをしがちです。よく注意しましょう。
5．イベントへ参加する時は接待交際費
取引先の主催するイベントにお誘いを受け参加することもあるものです。
忘年会や新年会、記念パーティなど、会費制になっている場合も多々見られます。
このようなイベントへの参加費用は、接待交際費に区分されます。
自社で主催する忘年会や新年会などは、自社の福利厚生費として処理しますが、お客様のイベントに参加する際は、接待交際費となります。
このように同じようなイベントでも、主催者が誰でどのような形で参加するかにより、接待交際費になるかそれ以外か決まるのです。
まとめ
いかがでしたか。
接待交際費は、どのような物に対して支出をしたかではなく、どのような目的で使ったのかという点が重要になってきます。
事業を遂行するために必要な費用であるか否か、そしてその裏付けとして必要な証拠となる領収書を残すことが大切です。
経費の有効利用をすることで事業を積極的に進めましょう。
接待交際費として処理する時の５つのポイント
- 飲食代は一人当たり5000円以下か？
- 事業に必要であったことが分かるか？
- 贈り物代や交遊代は接待交際費
- 接待時の交通費処理は注意
- イベントへ参加する時は接待交際費