2009年の厚生労働省のデータによると、入社後半年以内に退職してしまう新入社員の数は3割で、特に昨今は、大企業より中小企業の退職率がとても高くなっています。退職をしたいと考える理由は様々で、もちろん新入社員側の社会人とし考え方が不足してる部分もありますが、実は受け入れる企業側も、注意を怠り新入社員を退職に追いやってしまうという大きな問題が後を絶ちません。
そうならないためにも、新入社員の退職を防ぐ為の企業側の注意点とは、いったいどんな事なのでしょうか?
新入社員の退職を思い止まらせる5つの注意点
新入社員の退職は、社員自身の問題だけではなく、受け入れる周囲の人間がどのくらい思いやりを持って育てるか、職場環境が大きな鍵と言えるでしょう。
新入社員は、右も左もわからない状況で不安をいっぱい抱えています。その不安を回避し、新入社員が退職を思い止めるポイントを5つご紹介します。
1.会社の愚痴はNG
新入社員が入ってきて、先輩に当たる社員がやってしまいがちなのが、その会社の愚痴を新入社員に話してしまうことでしょう。コミュニケーションの一環や、早くその会社に慣れて欲しいという親切心からやってしまう行動ですが、それによって嫌な部分ばかり見えてしまって、先がないと感じ、退職したい意向を示す新入社員もいるのです。
確かに社内に慣れる為の予備知識は必要ですが、マイナスイメージになる事を伝えることは、不安をあおるだけです。そのような行動は絶対に避けなければいけません。
2.固定観念は捨てる
新入社員に対して、できて当然という固定観念は持たないようにしましょう。お客様に対しての接客方法や電話の対応、コピーの取り方1つ1つ全てが初体験です。まずは丁寧に教えることが肝心です。
固定観念を捨てずに接してしまうと、「なぜそんな簡単なことができなのか?」という気持ちを持って接してしまいます。その気持ちは自然と態度に表れ、新入社員に必ず伝わってしまいます。そのプレッシャーはとても大きく、それが原因で退職を考える新入社員もいまず。退職を防ぐ為には、とても必要な考え方です。
3.時間外は当たり前ではない
長く企業で働いていると、周囲の影響で残業や休日出勤は、やって当たり前と言う考えになってしまいがちです。しかし時間外は本来するものではありません。限られた時間内で仕事を熟すことが、とても重要です。
新入社員は初めのうちは、上司や先輩の指示に従って仕事を行います。その際、時間内で収まるようなスケジュールを組む事を心がけ、緊急事態などによって時間内に収まらないような場合にのみ、時間外の指示を行うようにしましょう。初めから残業ありきでの仕事の与え方は、絶対にしてはいけません。
時間外が多いことが、新入社員の退職理由のトップを占めます。退職を防ぐには、勤務体系についてまず会社全体で見直すようにしましょう。
4.任せることも大切
新入社員は、自分で仕事をバリバリ行う事を想像して、入社してきます。しかし実際は、なかなか自分の意思で仕事ができるような状況にはなれず、サポート作業ばかりなのが現実です。
そのギャップによって、退職を考える人も少なくはないのです。確かに初めから、重要な仕事を任せることは、無謀な事です。しかし、何か一つでもいいので、任せる仕事を与え、自分の意思で自由に仕事をさせる事も必要です。
仕事に対しての達成感や充実感を与える事も、新入社員の退職を思い止めるにはとても大切な事なのです。
5.あくまでも会社の付き合い
コミュニケーションの一環として、新入社員を飲みに誘ったりすることも時には必要ですが、それが日常的になってしまう事は、絶対に避けましょう。
以前は、アフターファイブに社員同士で盛り上がり、その関係性を仕事に持ち込んで人間関係を上手く築く事を考えましたが、最近会社に入社してくる人たちの考え方は、仕事は仕事、プライベートはプライベートと割り切る事が主流です。やはり新入社員も社内から誘いがあったら断れません。退社後の誘いが続いてしまうと、それだけで会社に行くのが嫌になり、退職を考えてしまう新入社員も多いのです。
良かれと思っている事でも、相手には迷惑になることもありますので、退職を防ぎたいと思うならば、まずはほどほどの関係性で接する事がベストです。
いかがでしたか? 新入社員にとって、企業は未知の世界です。なにも分からない状況で働く為、見えないストレスを多く抱えています。気を使いすぎる事は、新入社員にとってマイナスになりますがが、心遣いは絶対に必要です。自分の時はこうだった等と比較をするのを止めるのが、新入社員の退職を防ぐ一番の秘訣なのです。
まとめ
新入社員の退職を思い止まらせる5つの注意点
- 会社の愚痴はNG
- 固定観念は捨てる
- 時間外は当たり前ではない
- 任せることも大切
- あくまでも会社の付き合い