厚生労働省の調べによると、大卒新入社員の1年以内の離職率は、12.7%と言う結果が出ています。そのデータを踏まえると、辞めたいと考えた新入社員が多くいる事が予想できますよね。
以前のような終身雇用制度崩壊後、転職が一般的となった今、新入社員の中でもその傾向が強くなっていて、辞めたいと思ったときに即行動に出る新入社員も少なくありません。
では新入社員が辞めたいと言ってきた時、考えを改めさせるために、周囲はどのような対応が必要なのでしょうか?
辞めたいと言い出した新入社員を引き留める5つの対応
新入社員が辞めたいと言い出した時、周囲の対応によって考えを改める事もあるのです。どれだけ自分の事を考えてくれているか、その気持ちは新入社員の考えを大きく左右します。
では、新入社員が辞めたいと言ってきた時、周囲はどのような対応を取れば考えを改めるか、5つの対応策をご紹介します。
1.理由を理解する
新入社員が辞めたいと言ってきた場合、必ず理由を聞く事でしょう。
でもその理由があなたにとってはとても些細なことだったらどうしますか?甘い考えと思ってしまう事や、全く理解できない事を言ってくるかもしれません。しかし、その理由を最初から否定することは絶対に避けましょう。
新入社員はつい数か月前まで学生として育ってきて、年齢的には大人ですが、まだまだ社会人としては未熟に過ぎないのです。それを頭ごなしに理解不能とするのではなく、できる限り理解するよう努める事も、上司や先輩の役目だと言えます。
気持ちを分かってあげる事で、新入社員が会社を辞めたいという気持ちを回避することができると、周囲は頭に入れて置く事も必要です。
2.就活を思い出させる
就職氷河期は終わりを告げましたが、以前に比べ新卒の就職活動は、まだまだ厳しいと言われています。
新入社員も、入社する為にいろいろな苦労をしてきたはずです。
会社を辞めると言う事は、再度その就活をすることになります。その気持ちを思い出させることも、辞めたい気持ちを思い留まらせる方法の1つと言えるでしょう。
3.転職のデメリットを伝える
新入社員の場合、仕事を辞めたい思うと、辞めるなら早い方が良いと考え、すぐに行動に走る人がいます。
しかし、新卒者が数か月で会社を退職し、その後他に転職しようとしても、なかなか再就職は難しい状況だと言えます。
直ぐに会社を辞めてしまうというレッテルが貼られてしまい、企業側も雇うことを躊躇してしまうのです。
その現実を、辞めたいと訴えている新入社員に伝える事も必要です。今は苦痛かもしれないけれど、経験を積んだうえでの転職を進める事も、辞めたい気持ちを落ち着かせる1つの手段です。
4.日常会話を増やす
上司や同僚と折り合いが悪く、勤務条件や給与が良くても人間関係に悩まされ、会社を退職する人が多いと言われています。
その反面、勤務条件等に不満があっても、周囲との人間関係の構築が上手くいくと、なかなか転職に踏み切る事ができない人も多くのです。
その為にも、新入社員に対して壁を作らず接する事も、辞めたい気持ちを留まらせる方法だと言えます。
新入社員に対しては、学生気分を改めてもらうために、企業側としても少々厳しく接するところがあります。しかし厳しいだけでは人は育たないのです。
様々な場面で話し掛けるようにし、仕事以外の話ができる環境を作り、新入社員がその場で働きやすい様に心がける事も必要です。
5.仕事を任せてみる
新入社員に辞めたい理由を聞いてみると、中には仕事に魅力を感じないと答える人がいます。
新入社員は、企業に就職したら即実践力と考えてしまう人もいます。しかし現状は雑用ばかり。夢と現実とのギャップに、辞めたいと考えてしまう新入社員も少なくありません。
それを回避する為に何か1つ、新入社員しかできない仕事を与える事も、辞めたい気持ちを思い留まらせるには必要でしょう。
任せる事により、周囲のフォローが必要となり、仕事が滞ってしまう可能性もありますし、失敗することもあるでしょう。しかし失敗も新入社員の糧になります。見守る事も人を育てます。
新入社員が辞めたいと言ってきたときに、やってみる価値がある方法でしょう。
まとめ
いかがでしたか?
新入社員が辞めたいと言ってきたとき、新入社員のせいばかりにはせず、周囲を見直すことも、辞めたい気持ちを思い留まらせるには必要な事です。
自分の時はこうだったと比べるのではなく、理解して真摯に向かい合う事が、辞めたい気持ちを回避し、新入社員を育てるにはとても重要です。
辞めたいと言い出した新入社員を引き留める5つの方法
- 理由を理解する
- 就活を思い出させる
- 転職のデメリットを伝える
- 日常会話を増やす
- 仕事を任せてみる