あなたは戦略と戦術の違いをきちんと把握できていますか。
一昔前は、どの日本企業も戦略を持ち合わせていなくても企業利益をあげいわゆる「勝ち組」というものに成り上がることが簡単にできました。まさにバブルの時代です。このバブル時代に戦略なく戦術のみでのし上がった企業ほど、バブル崩壊後にあっという間に窮地に追い込まれたのです。バブル時代に戦略を持って市場競争に参入していると思っていた企業は、実は戦術で乗り切っていただけだったのです。では、本当の戦略と戦術とは一体どういったものなのでしょうか?
分かりやすい戦略と戦術の6つの違いとポイント
バブル崩壊後、生き残っている企業は戦略をきちんと持っていた企業だといわれています。戦略を持たずに戦術のみだった企業は、それまでの経営を立ち止まって見直す必要に迫られたのです。
では、戦略と戦術の違いを具体的に考えてみましょう。
1.戦略とは
よく言う、戦略とは一体なんでしょうか。
戦略とは企業が何を目的としているのか、どこへ向かっていきたいのか、その将来への方向性をきちんと考えるかの考え方を示すことです。英語でいう「What」です。まず、何をしたいのか。それを成し遂げるには何をすればいいのか。また、どうしたら利益をうみ出すことができるのか。これをきちんと考え掲げることが「戦略」です。
バブル時代の日本の企業にはこの「戦略」というのが、行きあたりばったりでした。それでも会社が成長を続けることができたのは、その時代が大量生産が大量消費に繋がっていたからこそです。経済が崩壊し、買い渋るようになった今の時代では、長く利益を生み続けることは不可能です。現代において、成功した企業にはこの企業戦略の部分がしっかりと根付いているものなのです。
2.戦術とは
では戦術とは一体どんなことなのでしょうか。これは、英語でいうと「How to」です。先ほど述べた「戦略」とは違い、手段を変えることで活路を見出すことです。
バブル時代もこの戦術を駆使して成長した企業が多いのですが、海外の諸国ではきちんとした戦略を持った企業が多く、戦術のみの日本は、競争に勝てないようになってきたことが身をもって知った事実だったのです。
分かり易く言うと、戦術は持っているものをどのように生かして利益をあげるかを考えることなのです。同じものでも、売り方の違いで売れ行きを左右します。販売戦略のうまい会社は戦術がうまい会社と言えます。
戦術を創意工夫することは、働いている人のやる気もアップさせ各人が戦術を考えることで企業の活性化にも繋がります。このように戦術を多く生み出せる会社は活気に満ちあふれているものなのです。
3.戦術を生かすのは戦略
どんなに良い戦術を持っていたとしても、戦略がきちんとしていないと今の現代では企業の競争に勝てません。
きちんとした企業戦略を持った会社とコンペなどをしてみると分かるとおもいますが、戦術だけでは相手企業の戦略にうまく取り込まれてしまった時、無駄な力を入れすぎて自社の被害を大きくしてしまう可能性があるのです。
良い戦術を持っている企業は、確かな戦略を練るべきです。それは戦術を生かすのは確かな戦略だからです。
4.戦略がないとこうなる
戦略がない会社は、よい戦術があっても働いている人を本当の意味でまとめることが出来ないからです。人がまとまらない理由は、戦略がないということはその会社が最終的にどこを目的としているのかが、働いている人に見えていないことが原因です。
目指しているものがきちんと理解できないと、ただ頑張るだけでは、やがてバラバラになってしまいます。戦略があることで、働く人たちが一丸となってその目標に向かうことで結束力も高まるのです。
5.戦略が出来ている会社とは
では、戦略が出来ている会社とはどのような会社なのでしょうか。それは働いている人が自分の会社の経営戦略を、自分の言葉で人に説明できるような会社です。
経営戦略というものが、トップの人間だけでなく会社を支えている社員まで浸透していることが、戦術を生かすアイデアも豊富に生み出され、新たな戦術となって会社を支えていくのです。
6.戦略と戦術の違い
戦略と戦術の違いをまとめてみましょう。
戦略とは競争を打ち勝つための作戦、戦術とは作戦を実行するための手段です。
何をするべきなのか、何をするべきではないのかを言及するのが戦略、誰がどうやってするのかを言及するのが戦術。
ゴールの達成にむかって走るのが戦略、目標の達成に取り組んでいくのが戦術。
状況の変化に合わせて柔軟に対応するのが戦術であり、頻繁に変更されることのないものが戦略であります。
このように戦略と戦術には関連性を保ちつつも、きちんとした違いがあるのです。
まとめ
いかがでしたか。
「3分で理解する戦略と戦術の5つの違いとポイント」をご紹介しました。戦略と戦術の違いをきちんと理解することで、現在の経営を見直すことができます。経営戦略は一度立てたら終わりではなく、定期的に必ず見直すことが大切です。
分かりやすい戦略と戦術の6つの違いとポイント
- 戦略とは
- 戦術とは
- 戦術を生かすのは戦略
- 戦略がないとこうなる
- 戦略が出来ている会社とは
- 戦略と戦術の違い