一時期新聞等で見かけた大企業のリストラ問題。いきなり会社側から退職の勧告を受け、職を失った人が後を絶ちませんでした。今はだいぶ落ち着いてきましたが、やはりまだまだ赤字企業も多く、倒産を免れるために会社から退職の勧告を受け失業する人が多いのも事実です。
また、会社と労働者の場合、立場が弱いのは労働者です。業績不信ではないのに、いきなり退職の勧告を受け、職を失う労働者もいるのです。
他人事だと思っていても、明日は我が身。もしあなたの身に退職勧告が出た場合、あなたはそのまま何もアクションを起こさず、会社側の退職勧告を受け入れますか?
そのまま受け入れちゃダメ!退職勧告6つの注意点
退職の勧告が会社側から提示された場合、頭が真っ白になってしまい、流れでそのまま退職を受け入れてしまう事が多く、結局泣き寝入りしてしまう労働者が多いのが現実です。
しかし職を失う事は死活問題です。できる限り回避しなくてはいけません。その為にも、退職の勧告を受けた時に確認すべき注意点を6つご紹介します。
1.まず理由を聞こう
退職の勧告を受けた場合、まずするべき事は理由を必ず確認する事です。なんでそのような結果に陥ったか、労働者は知る権利があります。会社全体のリストラの場合でも、残される者と辞めさせられる者とに分かれる訳ですから、必ずそこには理由が存在します。
口を濁すような退職理由の場合は、理由をハッキリ提示されるまで退職勧告は受け入れないようにしましょう。
2.即返答はNG
退職勧告を受けても、退職を即同意する事は絶対に避けましょう。退職する意思をその場で伝えない事は、退職勧告を受けた時の鉄則です。
確かに退職勧告が出た場合、結果的に労働者は止めざるを得ないパターンが多いです。しかし素直に受け入れてしまう事は、今後の会社側の対応がずさんなものになってしまう事も考えられます。
勧告を受けた時は、まずは「考えさせてください」と伝え、即返答を避けるようにしましょう。
3.不当解雇の疑いをチェック
退職勧告の理由を聞いて、それが不当解雇にあたらないか確認することも、とても重要です。
どう判断していいかわからない場合は、労働基準監督署で無料相談も受けられますし、役所等によっては弁護士や社会保険労務士等専門家による相談コーナーも設置されている場合もあります。
不当解雇の場合は、退職を回避することも可能ですし、退職によって被る生活保障の上乗せを受ける権利も発生します。
退職の勧告を受けた場合、怠らずに確認すべきチェックポイントの1つです。
4.退職金や給与の確認
労働者に対して退職勧告をする場合、退職日の30日前までにすることが労働基準法で定められていますもし、それまでの期間が30日無い場合は、その分会社は給与を保証しなくてはいけません。
また退職勧告は自己都合扱いではなく、会社都合退職となるので、ほとんどの企業で自己都合より会社都合の方が、退職金が上乗せになる場合があります。
必ず就業規則を見て会社側に確認し、退職金や給与の保障を確保することが大事です。
5.退職届は提出不可
退職勧告を受けた場合、会社側から退職届の提出を求められても提出しないようにしましょう。退職届を提出することは、自己都合と取られる行為です。自己都合だと、退職金やその他手続き上、労働者に対してデメリットが多く発生します。
もし退職届の提出を強く求められた場合、必ず「退職勧告」の一文を入れて、自己都合ではない旨を書くことがとても重要です。
6.離職票の退職理由
この項目は退職を受け入れた場合の確認事項となります。退職を受け入れると、会社側から離職票発行の為の書類が届きます。離職票は失業保険を貰う時に必ず必要な書類です。
離職票には退職理由を必ず書く欄があり、退職勧告の場合、会社都合となるので退職した場合、失業保険は自己都合に比べ長い期間支給されたり、3か月間の給付制限が免除されるので、必ず退職勧告による会社都合になっているか、しっかり確認するようにしましょう。
離職票は退職者の署名・押印が必要となります。もし間違っている場合は、必ず訂正後に署名・押印をすることが絶対条件です。
いかがでしょうか? 会社側と労働者では、立場が弱いのは労働者となってしまい、退職勧告を受けた場合、どうしても会社の言いなりになってしまいがちです。
退職勧告は、それまでの生活を維持し続ける権利を失う訳ですから、できる限り自分で動いて、保障を確保することが必要不可欠となるのです。
まとめ
そのまま受け入れちゃダメ!退職勧告6つの注意点
- まず理由を聞こう
- 即返答はNG
- 不当解雇の疑いをチェック
- 退職金や給与の確認
- 退職届は提出不可
- 離職票の退職理由