会社をクビになるという経験は人生で最も辛い経験の一つです。
同時に「この先どうなるんだろう」という不安が襲ってくるでしょう。
できることなら避けたい経験ですが、やむなくクビになってしまったときには、少しでも早く不安を解消し、リカバーに向かって前向きに取り組みたいところです。
そのためにも会社をクビになったときにどのような手続きが必要で、どのようなことに取り組むべきかを知っておく必要があります。
会社をクビになったときに知っておきたい情報とはどのようなものなのでしょうか?
会社をクビになった時に知っておきたい情報
会社をクビになった瞬間はパニック状態で、どうしたらよいのか、わからない状態でしょう。
少しでも早く社会復帰をするために、会社をクビになった時にすべきことを整理しておきましょう。
今回は会社をクビになった時に知っておきたい情報をご紹介します。
1.まずクビの理由は正当か
会社をクビになった理由は納得いくものでしょうか?
会社が社員をクビにする場合にはそれなりの理由が必要で、「会社経営のためにどうしても人員整理の必要があり、それを避けるための努力を十分に行った結果としての解雇であること」が条件です。
納得のいかない状況であれば、それを理由にクビを解消してもらうよう働きかけてみましょう。どうしてもクビが解消できなければ法廷に持ち込むという選択肢もあるでしょう。
2.離職票を会社からもらう
会社をクビになった場合には、自己都合による退職に比べて有利な点があります。それは失業給付がブランクなく受けられるということです。
自己都合で退職した場合には申請から3ヶ月待機する必要がありますが、クビになった場合は会社都合となり、待機期間なく雇用保険の恩恵が受けられます。
失業給付を受けるためには公共職業安定所に申請をしなければなりません。会社の出す離職票が必要になりますので、退職時には離職票を出してもらいましょう。
3.退職時の書類をもらう
離職票以外にも、会社をクビになって退職するときに、会社からもらう必要のあるものと、返却する必要のあるものがあります。
もらう必要のあるものは「厚生年金証書」「雇用保険証書」「給与所得の源泉徴収票」「退職所得の源泉徴収票」です。
逆に返却する必要のある書類は「社員カード、手帳など会社からの支給品」「健康保険被保険者証」「組合員証」「業務上の書類」です。
もらうものはもらい、返却するものはきっちり返却して、滞りなく退職しましょう。
4.退職所得控除を申請
他の所得と同じように退職金にも所得税がかかってきます。払いすぎた分に関しては後に確定申告で還付されますが、申請をしておくことで最初から過払いを防ぐことができます。
控除額上限は勤続年数によって変化し、勤続20年以下では40万円×勤続年数、勤続20年以上では(勤続年数-20)×70万円+800万円が上限となっています。
「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出し、控除を受けましょう。
5.健康保険に関する手続き
会社をクビになり退職した瞬間に、これまで会社で加入していた健康保険から、市区町村の運営する国民健康保険に切り替わります。
ほおっておくと保険未加入の状態になってしまいますので健康保険の切り替え手続きが必要です。退職日から14日以内に市役所等で切り替えを行いましょう。
毎月の保険料は前年の所得によって変わりますが、今まで会社が負担していた分も支払うことになるため金額はおよそ2倍になります。
保険料はとても痛手ですが通院の際は3割負担で済みますし、万が一大病で入院ということになっても高額医療費見込みの8割を借りることができる「高額医療費貸付制度」が利用できます。
健康保険に関する手続きは、もれのないよう行っておきましょう。
6.年金に関する手続き
会社では厚生年金に加入していた方が多いと思います。
会社をクビになり厚生年金から脱退している期間は、国民年金に切り替えます。厚生年金と国民年金の加入期間が25年以上ないと老齢基礎年金が受給できないことになっていますので、空白期間はつくらないほうがよいでしょう。
ただし収入がない時期に1ヶ月1万円以上の年金を支払うのは苦しいこともあるかと思います。そういう場合には世帯の収入に応じて保険料の支払額が軽減される「申請免除」という制度があります。
これによって受給金額は減額されてしまいますが、10年以内であればさかのぼって保険料を支払うことができるため、利用を検討するのもひとつでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
会社をクビになったときのショックは、現実の庶務に忙殺されることで少しでも紛れるものです。
さまざまな控除も利用して冬の時代を乗り切りましょう。少しでも早く前向きな活動に転じられるよう、目の前のやるべきことをしっかりやっていきましょう。
会社をクビになった時に知っておきたい情報
- まずクビの理由は正当か
- 離職票を会社からもらう
- 退職時の書類をもらう
- 退職所得控除を申請
- 健康保険に関する手続き
- 年金に関する手続き