「トラブルがあったときにパニックに陥る」、「失恋でどうしようもなく落ち込む」、「飲み会で全体に気を配れない」、これらはすべて俯瞰する能力の欠如から起こってきています。俯瞰とは全体を客観的に見渡すことです。目の前のことを客観的に見ることにより、ものごとに対する余裕が生まれ、そこで初めてコントロールが可能になります。俯瞰ができなければ、目の前のことに振り回され続けるでしょう。
俯瞰にも様々なものがあり、その全てを意識する必要があります。では、俯瞰とはどのような性質があるでしょうか?
コミュニケーションと仕事の質を上げる俯瞰とは?
俯瞰する習慣をつけることで、ハードな状況でも、最適な思考や行動ができます。今回は、コミュニケーションと仕事の質を上げる俯瞰とはどのようなものかを細分化してご紹介します。また、俯瞰力を上げるために必要なことは何かを考えます。
1.人間性の俯瞰とは
相手の働きかけには理由があります。例えば上司が、過剰に整理整頓を促してくる人であれば、上司が説明してない部分まで、その理由を読み取ることが必要です。上司が過去に多くの書類を処理する業務に携わっており、そこで整理整頓による生産性の向上を体験しているのかもしれません。あるいは、上司が佐藤可士和を尊敬しており、影響されているのかもしれません。それを理解することで、促しに対する納得度が変わります。単にきれい好きな性格だと考えるだけでは、促しに対して不満が残ってしまいます。
このように、コミュニケーションをうまく行うときに、相手の人間性を俯瞰することが大事です。人間性の俯瞰とは、相手のバックグラウンド、人生哲学、性格や能力を把握することになります。相手の人間性を俯瞰した上で働きかけるのと、そのとき入ってくる情報のみで判断して働きかけるのでは、コミュニケーションの質が大きく変わってきます。
2.場の俯瞰とは
サッカー選手には、自分とチームのメンバー配置、敵陣営の現在のポジションを一瞬で把握して最適な場所へボールを運ぶ能力が必須です。同じように日常生活やビジネスでも、その場の状況を把握できることが、上手く立居振舞えるかに関わってきます。
場の俯瞰とは、空間的な配置と、その場の構成要因の性質を一瞬で把握して最適行動を決定することです。それは、サッカーゲームのような全体の視点を持つことだと言われています。常に一段上のメタ視点を保つ必要があります。メタ視点を強化するには、場から少し離れた位置から自分を含めた全体を見渡す視点を意識し、日々訓練を重ねることが有効です。
3.プロセスの俯瞰とは
業務は今現在に集中することが、業務の質を向上させるのに重要ですが、同時に、現在の業務がプロセスのどの部分になるかの意識を持つ必要があります。そうすることで、ゴールに向けて必要なタスクや完成度が分かりますし、予期しない事態が発生したときの軌道修正も可能です。
プロセスの俯瞰とは、現在のタスクと、全体的なタスクやゴールへの意識を同時に向けることになります。
4.自己の俯瞰とは
自分のモチベーションや感情を完全にコントロールできる人はあまりいないでしょう。それらは体調によっても左右されますし、環境の影響も大いに受けます。寝不足の日に管理職を前にプレゼンする際には殆どの人は緊張します。そこで大事になってくるのが自己の俯瞰です。
自己の俯瞰とは、自分の感情の浮き沈みや、環境からの影響、体調を客観的に他人を見るように観察することになります。そうすることで、緊張することによる緊張などの負のループから開放されます。
5.俯瞰力向上の為の瞑想とは
俯瞰力を向上させるためには、その場で意識することがまず第一に重要です。そして、俯瞰力を決定的に向上させる手段に瞑想があります。瞑想は自分の中に沸き起こってくる言葉を、客観的に見つめ続ける作業です。俯瞰とはものごとを客観的に見ることであり、瞑想で使う部分を鍛えることでその能力が上がります。毎日20分の瞑想を習慣づけることにより、間違いなく3ヶ月後には俯瞰力が格段に上がっています。
いかがでしたか?
俯瞰とは、目の前のことを効率よく処理するための最良のツールと言えるでしょう。日常生活や仕事の場面で、俯瞰する意識を持つこと、そして瞑想の習慣を持つことで、各俯瞰力を向上させてみてください。きっとコミュニケーションの質や仕事の質も上がることに気づくと思います。
まとめ
コミュニケーションと仕事の質を上げる俯瞰とは?
- 人間性の俯瞰とは
- 場の俯瞰とは
- プロセスの俯瞰とは
- 自己の俯瞰とは
- 俯瞰力向上の為の瞑想とは