心付けというものを知っていますか。
社会人になるまでは、この言葉を耳にすることは少ないですよね。
社会人になってからも、そういう場面に出くわさない限り、心付けのマナーというものに遭遇することはないでしょう。
一昔前ならば、当たり前のように行われていた心付けの習慣も、現代ではサービス料という形で企業側が強制的に徴収している場合もあるので、そういった習わしとして用意するという気遣いまで頭が回らないこともあります。
では、知っておきたい心付けを渡すシーンとそのマナーとは?
心付けをする知っておきたい5つの場面とマナー
心付けという言葉自体を社会人になってから知った人も多いのではないでしょうか。
特別なシーンでない限り、心付けをする習慣はないものです。
では、そんな心付けを用意するシーンやマナーとはどうしたら良いのでしょうか。
1.旅館での心付け
家族と行く旅行で、泊まる先が旅館だという人もたくさんいますよね。
最近では、旅館の仲居さんに心付けを渡す人はとても少ないと言われています。
これは、近年では旅館のような場所でもサービス料という形で金額がそれなりに発生しているから、あえて仲居さんに心付けを渡す必要は無いと考えている人が多いようです。
では、そんな旅館でも仲居さんに心付けを渡したほうが良いとされているケースはどういった場合でしょうか。
- 部屋に専任の仲居さんがいて、最初に名前を名乗り、布団の上げ下げなどをしてくれるケース
- 食事を部屋で食べるような高級旅館
- 女将さんが取り仕切るような老舗の旅館
このような場合は、心付けを用意する人が多いようです。
また、バイキング形式で食事を取るような旅館やホテル、旅行会社のツアーに使われるような大きな旅館、サービス料という形を取る旅館では心付けは必要としません。
金額としては、1000円〜3000円が相場です。
タイミングとしては、部屋に通されて、一通りの説明後に、仲居さんが立ち去ろうとするタイミングで、「お世話になります」という一言と共に手渡すのが一番良いでしょう。
2.葬儀での心付け
突然の訃報となるとつい忘れてしまいがちになるのが、葬儀での心付けです。
正直、喪主となる人は哀しみでそれどころではありません。
親戚など周囲の身近な存在にある人が、葬儀の際に必要な心付けまで気を回すことが良いでしょう。
では、そんな葬儀で必要となる心付けには何があるのでしょうか。
葬儀屋の中には見積書の中に心付けが金額とともに計上されていることもあります。
これは、心付けを知らない人のために後から追加でお金が掛かることに不満を持たせないためにも、あくまで目安として書かれているものです。
しかし、そもそも心付けというのは、その人の気持ちで渡すものなので「心付けの金額はこちらので決めますので、見積書から省いて下さい」と葬儀屋に伝えることは問題ありません。
また誰に渡すのかを参考程度にご紹介すると、
- 霊柩車の運転手さんに三千円〜五千円
- マイクロバスやハイヤーなどの運転手さんに二千円〜五千円
- 火葬場の係の人に三千円〜五千円
- 休憩室の接待係さん二千円〜五千円
- 料理配膳の人に二千円〜三千円
- お手伝いに来た近所の人に二千円〜三千円
といったところです。
渡す人は、喪主となる人でも親族の方でも構いません。
3.結婚式での心付け
人生の中で心付けという言葉に初めて出会うのは、もしかしたら結婚式かもしれませんね。
心付けを渡すという習慣が少なくなっている日本ですが、結婚式ではまだまだその習慣が残っている方ではないでしょうか。結婚式で渡す心付けは、式場のスタッフからゲストまで様々です。
では、例えばどんな相手にいくらぐらいを渡すのが相場なのかをご紹介しましょう。
- カメラマンさん五千円〜一万円を親から渡す
- 着付け・ヘアメイクさん五千円〜一万円を親が渡す
- 介添え人三千円〜五千円を親が渡す
- ウエディングプランナー五千円〜一万円を当人二人から渡す
- 司会者五千円〜一万円を親が渡す
- 主賓・乾杯の音頭をしてもらう人お車代として、一万円〜。頼んだ方の親が渡す
- 受付をしてくれる人三千円〜五千円。頼んだ側の親が渡す
結婚式での心付けは、お手伝いをしてもらう人々へのありがとうの気持ちを込めて渡すものです。
失礼のないようにしたいものですね。
4.宴席での心付け
宴席での心付けと聞くと、「?」となる人も多いことでしょう。
あまり聞き馴れませんが例えていうなれば、会社で大勢で行う会などで課長や係長などの役職についている人が、一般社員に指定されている金額よりも多めにお金を出していただいた時などに使用します。
こういった際には、宴席できちんと発表をし、お礼を言うのが礼儀です。
「○○課長および係長よりお心付けをいただきました、ありがとうございます」
という形で発表をすることで、会費を多めに出していただいた上司に敬意を表します。
5.引越し業者への心付け
引越し業者への心付けは、昔は渡すことが常識とされていましたが、現在は基本的に引越し料金へ加算されている企業が多いです。
このことから、企業側からは「必要ありません」としている業者や、「お客様にお任せいたします」という業者がほとんどです。
しかし、心付けというのはお世話になる人へのねぎらいの意味も含まれているため、もし業者の方に渡すのであれば、千円程度をポチ袋に入れて、一人一人に渡すことが心伝わるいい渡し方だとされています。
また、お金で渡すことに抵抗のある場合は、飲み物やお菓子などを手渡しても喜ばれるものです。
まとめ
いかがでしょうか。
心付けの知っておきたい5つの場面とマナーをご紹介しました。
心付けというのは、その人の相手に対する気持ちです。
金額の多い少ないよりも、相手への感謝の気持ちを示すことが大切なのです。
知っておきたい場面ごとのマナーを覚えておきましょう。
心付けをする知っておきたい5つの場面とマナー
- 旅館での心付け
- 葬儀での心付け
- 結婚式での心付け
- 宴席での心付け
- 引越し業者への心付け